孤高の新聞記者Mの「スロっとする話」(毎週火曜担当)

孤高の新聞記者Mの「スロっとする話」(毎週火曜担当)

某スポーツ紙記者歴15年。長くモータースポーツを担当し世界各国を取材、単行本を出版するまでに至ったもの業界不景気につき特集は打ち切り。最近、パチンコ・パチスロ特集担当に就任した。しかし、これこそが天職だと実は喜んでいる。パチスロに〝ロマン〟を求め続け20余年、社からは特に頼まれていない、ホールでの実戦取材に明け暮れる日々を過ごしている。

孤高の新聞記者M

第2061回「目を疑うかの光景」

2017年03月14日(火)

「モンキーターンⅢ」がホール導入になったというのでその月曜日、どうせ空台はないだろうと思いながらも仕事終わりの夜8時くらいに3台(小ホールにつき、最近の新台で3台というのは多い方)入れた自宅最寄りのホールに寄ってみた。打てるとは考えておらずちょっと見るだけ、というつもりだったのだが、ホールに入ってみるとなんと、目を疑うかの光景が。3台中、3台ともに空台になっていたのだ。そして、モンキーの伝統からいけばART後は必ず128G消化して台を離れるのが定石だったが、3台中即やめが2台。この状況を見て怖くなった私はその日、別の台を打って帰った。

 

このモンキーⅢ、タイミング悪く私が某紙で連載している新機種紹介のラインアップから外れてしまったことで導入前に取材を行っていなかった。それでも普段ならば個人的興味から取材をするところだが、今回ばかりはなぜか、導入後のお楽しみということにしておいた。つまりある意味、期待していたのである。2代目が出たとき、初代をこれでもかとばかりに引きずっていたことに好感を持った。人気シリーズ機の新作はどのメーカーも悩むところだが、これが正解のように思えた。初代を打ったことがあれば何も説明はいらない。超抜チャレンジが3種類になり、ART時の上乗せパターンが増えただけだ。狙い目もやめ時も、初代に倣えば良かった。ところがこの3代目、128Gの天国ゾーンが存在しないことが一目で読み取れる。したがって「少し勉強してから打った方が良いのでは」と、一旦回避したわけだ。

 

帰って資料を見てみたらこれが、やたらと難しい。通常時からチャンスゾーンまでの流れはオーソドックスなもので、新たに搭載された艇刻システムもまあ理解できる。小役、レア役も前作から継承されている部分が多い。ここまでは正統進化といっても良い。問題はARTだ。フライングSTってやつとSTってやつの2パートに分かれていて、さらに途中でV3つ揃えばバトルトライアルってやつに突入。これが継続のカギを握っていると思われる。この他、上乗せ特化ゾーンはフライングSTG数上乗せだけでなくバトルトライアルの勝利をストックするものもある。と、資料の通り言葉を並べるとこんな感じだが、ARTの起承転結がまるでイメージできない。

 

で、あれば、やはり実戦を行うべきだろうという結論に達し3日後、再びそのホールを訪れた。3台中2台が空いておりART当選計7回、ART450G経過した台を選んだ。そして、予想以上にレア役の引きがよく3千円を投資したところで超抜チャレンジに突入すると、1発で見事ART当選。ここまではなかなか楽しかった。だがARTがスタートした後は思ったとおりすぐに、何がどうなっているのかよく分からない状態に。勝手にVは揃うわ、知らないうちにバトルは始まるわ。また過去の経験から、こんな訳の分からない展開の時はすごく出る時のはずだが、300枚弱でARTは終了。あっさりしたものだった。

 

訳も分からぬまま始まり訳も分からぬまま終了……正直、楽しかったのかと言われると、そんなに楽しくはなかった。新台不況から抜け出そうとメーカーが試行錯誤する様は想像できるが、画期的なものを追い求めすぎるとユーザーはついていけない。画期的なものが後にジワジワと人気が出る場合もあるのだろうが、少なくとも導入初日に全台が空台という状況を覚悟の上ではなかっただろう。パチスロに関連した仕事をしているひとりとして、あまり見たくなかった光景だった。

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